電動リール選びで絶対に外せない5つの重要項目
船釣りで快適な釣りを楽しむために、電動リール選びは非常に重要です。特に重要な5つの項目をお伝えします。
この5つを押さえれば、失敗しない電動リール選びができます。
1. 対象魚(最重要項目)
電動リール選びはここから始まります。
どんな魚を狙うかで、必要な糸巻量・パワー・サイズが全て決まります。対象魚を明確にしないと、適切なリール選択は不可能です。
対象魚別リール選択の基準
ライトゲーム系(アジ、タチウオ、イサキ、タイラバなど):
- PE1.5〜3号:200m
- ダイワ100〜200番、シマノ200〜600番
中型青物・マダイ系(ワラサ、マダイ、イナダ、サバなど):
- PE3〜4号:300m
- ダイワ200〜300番、シマノ600〜1000番
大型青物・深場魚(ブリ、キハダ、キンメダイなど):
- PE6〜8号:300〜400m
- ダイワ500〜600番、シマノ2000〜3000番
超大型魚(カジキ、マグロ、アラなど):
- PE10〜12号:800〜1000m以上
- ダイワ800番以上、シマノ4000番以上
複数魚種を狙う場合の選択基準
「一台で色々な魚を狙いたい」という場合は、最も大きな対象魚に合わせて選択するのが鉄則です。小さな魚は大きなリールでも対応できますが、その逆は不可能だからです。
2. 糸巻量(対象魚で決まる基本仕様)
対象魚が決まれば、必要な糸巻量が自動的に決まります。
対象魚によって必要な糸の太さ・長さが違います。リールの大きさによって糸巻容量も異なるため、必要な太さの糸が必要な分だけ巻けるかが選択の絶対条件となります。
魚種別必要糸巻量(再掲)
ライトゲーム系:
- PE1.5〜3号:200m(アジ、タチウオ、イサキ、タイラバ)
中型魚:
- PE3〜4号:300m(青物、マダイ、サバ、ヒラメ)
大型魚・深場魚:
- PE6〜8号:300〜400m(ブリ、キハダ、キンメダイ)
超大型魚:
- PE10〜12号:800〜1000m(カジキ、大型マグロ、アラ)
糸巻量不足の危険性
糸巻量が不足すると、魚に走られた時に糸が足りなくなり、大物を逃すリスクが高まります。特に深場釣りでは、底まで届かない可能性もあります。
3. 実用巻き上げ力(対象魚のパワーに対応)
対象魚の引く力に負けないパワーが必要です。
糸巻量が十分でも、パワーが不足すると魚を巻き上げられません。対象魚の引く力や使用するオモリの負荷に対して、十分な巻き上げ力があるかが重要です。
対象魚別必要パワー
ライトゲーム系:
- 実用巻き上げ力3〜5kg(アジ、タチウオ、イサキ)
中型青物・マダイ系:
- 実用巻き上げ力5〜8kg(ワラサ、マダイ、サバ)
大型青物・深場魚:
- 実用巻き上げ力8〜15kg(ブリ、キハダ、キンメダイ)
超大物:
- 実用巻き上げ力15kg以上(カジキ、大型マグロ)
実用巻き上げ力の重要性
最大ドラグ力は瞬間的な力ですが、実用巻き上げ力は継続的に発揮できる力です。実際の釣りでは、オモリの重さ+魚の引きに対して、この継続的なパワーが釣果を左右します。
4. サイズ(番手)選択
対象魚に必要な糸巻量とパワーを満たすサイズを選択します。
対象魚が決まり、必要な糸巻量とパワーが分かれば、適切なサイズ(番手)が決まります。
対象魚別推奨サイズ
ライトゲーム系:
- ダイワ100〜200番、シマノ200〜600番
中型魚(汎用性重視):
- ダイワ300番、シマノ1000〜2000番
- 最も汎用性が高く、初めての1台におすすめ
大型魚・深場魚:
- ダイワ500〜600番、シマノ2000〜3000番
超大物専用:
- ダイワ800番以上、シマノ4000番以上
汎用性を重視した選択
複数の魚種を狙う場合は、最も大きな対象魚に合わせたサイズを選ぶのが基本です。大は小を兼ねますが、その逆は困難だからです。
迷った場合は中型サイズ(ダイワ300番、シマノ2000番)を選んでおけば、ほとんどの船釣りに対応できます。
5. モーターの性能
長期的な満足度と釣果を大きく左右する要素です。
基本スペック(糸巻量・パワー・サイズ)が決まったら、モーターの性能で機種を選択します。同じサイズでもモーター性能により、使用感が大きく変わります。
高性能モーター搭載機種
ダイワのMAGMAXモーター:
- 特殊ネオジウム磁石採用
- 低回転でも高トルク発揮
- 繊細な出力調整が可能
- 搭載機種:シーボーグ500MJ-ATなど
シマノのGIGA-MAX MOTOR:
- ブラシレスモーター採用
- 高温でも強力なパワー維持
- 高耐久・高レスポンス
- 搭載機種:ビーストマスター1000EJなど
モーター性能による違い
高性能モーターのメリット:
- 安定した巻き上げ速度
- 電力効率の向上(バッテリー長持ち)
- 長時間使用でも性能低下しない
- ジギングなどのアクションが正確
- 故障が少なく耐久性が高い
投資価値について: 高性能モーター搭載機種は価格が高めですが、10年以上使用することを考えると、結果的にコストパフォーマンスが優秀です。
正しい選択手順
この順番で検討すれば失敗しません:
- 対象魚を明確化:何を狙うかを決める
- 必要糸巻量を確認:対象魚に必要な糸の太さと長さ
- 必要パワーを確認:対象魚を巻き上げるのに十分な力
- 適切なサイズを選択:上記を満たすリールサイズ
- モーター性能で最終決定:予算内で最高性能のモーター
よくある失敗例
❌ 価格だけで選ぶ:安物買いの銭失いになりがち ❌ 見た目やブランドだけで選ぶ:スペック不足で後悔 ❌ 汎用性を求めすぎる:中途半端な性能になる ❌ 将来の釣りを考えない:すぐに買い替えが必要になる
店長からの最終アドバイス
「対象魚ありき」が電動リール選びの鉄則です。
まずは「今年どんな魚を狙いたいか」「来年はどんな釣りに挑戦したいか」を明確にしてください。そこから逆算すれば、適切なリールが見えてきます。
一台で全てをこなそうとせず、メインターゲットを決めて、それに最適な機種を選ぶことが成功の秘訣です。