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【2025年最新】電動リールのカウンター補正方法を完全解説!ずれる原因と正確な設定手順

電動リールを使用していると「カウンターの表示と実際の水深がずれてしまう」という悩みを抱える釣り人は多いのではないでしょうか。正確な棚取りは釣果に直結する重要な要素であり、カウンター補正は電動リール使用時に必須のテクニックです。

本記事では、シマノとダイワの主要電動リールのカウンター補正方法を詳しく解説し、ずれる原因から対処法まで網羅的にお伝えします。

1. 電動リールのカウンター補正とは

カウンター補正の仕組みと重要性

電動リールのカウンター補正とは、リールが記憶している糸巻き情報と実際のライン放出量のずれを修正する機能です。この機能により、液晶画面に表示される水深と実際の仕掛けの位置を正確に一致させることができます。

現代の電動リールは「糸巻学習機能」を搭載しており、スプールの回転数から糸の放出量を計算してカウンターに表示します。しかし、PEラインの特性や使用条件により、次第に誤差が生じてしまうのが現実です。

糸巻学習機能の基本的な働き

糸巻学習機能は、電動リールが初回使用時にラインの太さや巻き取り量を学習し、スプールの回転数から正確な水深を算出する機能です。シマノでは「糸巻学習補正」、ダイワでは「ATD(Auto Tuning Drive)」機能として搭載されています。

この機能により、電動リールは10m単位でのラインマーカーに合わせた正確な水深表示が可能になります。ただし、一度学習した後も定期的な補正が必要となります。

カウンターがずれる主な原因

カウンターがずれる主な原因は以下の通りです:

  • PEラインの伸縮:強いテンションがかかった際のライン変形
  • 巻き取りテンションの変化:魚とのやり取りによる不均一な巻き取り
  • スプール径の変化:糸巻き量の増減による計算誤差
  • 高切れ:ライン切れによる糸巻き情報の不整合
  • 温度・湿度の影響:PEラインの特性変化

正確な棚取りの必要性

船釣りにおいて、1mの棚の違いが釣果を大きく左右することは珍しくありません。特に深場釣りや反応の渋い状況では、正確な棚取りが成功の鍵となります。

カウンター表示が実際の水深と3m以上ずれている場合、意図した棚で釣りができておらず、せっかくの魚探反応を逃してしまう可能性があります。

シマノとダイワのカウンター機能の違い

シマノの特徴

  • 糸巻学習補正機能搭載
  • 0セット機能による簡単補正
  • 船べり自動停止との連動
  • フォースマスター・プレイズシリーズで採用

ダイワの特徴

  • ATD機能による自動調整
  • MAGMAXモーター搭載機種での高精度制御
  • シーボーグ・レオブリッツシリーズで展開
  • リチウムイオンバッテリー対応

2. カウンターがずれる原因と症状

PEラインの伸縮とカウンターずれ

PEラインは強度に優れる一方で、強いテンションがかかると微細な伸縮や変形を起こします。特に大型魚とのやり取りでは、ライン全体に均等でないテンションがかかり、スプールに巻かれた糸の外径が変化します。

この変化により、電動リールが学習した「1回転あたりの糸巻き量」に誤差が生じ、実際の水深表示にずれが発生します。PE2号以下の細いラインほど、この影響を受けやすい傾向があります。

大物とのやりとりによる影響

大型魚とのファイト後は、特にカウンターずれが発生しやすくなります。強いドラグ設定での巻き上げや、魚の引きによるライン伸縮により、スプール上の糸の巻き方が不均一になるためです。

青物やマグロなどの強力な魚種を狙う際は、ファイト後の0セットが必須となります。また、巻き上げ時のテンション設定も重要で、過度に強いテンションは避けるべきです。

糸巻きテンションの変化

電動リールでの巻き上げ時、一定のテンションで巻き取ることが理想ですが、実際の釣行では様々な要因でテンションが変化します。

  • 船の揺れによる不規則な負荷
  • 潮流の変化による抵抗の増減
  • 仕掛けの重量や形状による影響
  • バッテリー電圧の低下による巻き上げ力の変化

これらの要因により、糸巻き学習時と実際の使用時でテンション差が生じ、カウンター誤差の原因となります。

高切れ時の補正不良

根掛かりや大型魚による高切れが発生すると、電動リールの糸巻き情報が大幅に狂います。高切れ後にそのまま釣りを続けると、カウンター表示は実際の水深より浅く表示されてしまいます。

シマノ・ダイワともに高切れ補正機能を搭載していますが、適切な手順で補正を行わないと、その後の釣行全体に影響します。

巻き込み過ぎによる誤差

仕掛けや道糸をスプールに巻き込み過ぎた状態で0セットを行うと、糸巻学習が不正確になります。これは、実際の糸の放出量よりも多い量を学習してしまうためです。

特に初心者にありがちなミスで、竿先近くまで仕掛けを巻き上げた状態での0セットは避けるべきです。正しくは、仕掛けが水面にある状態で行います。

3. シマノ電動リールのカウンター補正方法

0セット機能の基本操作

シマノ電動リールの0セット機能は、仕掛けが水面にある状態を0mとして設定する基本的な補正機能です。釣り開始前および釣行中に定期的に実施することで、正確な棚取りが可能になります。

基本手順

  1. 仕掛けを水面に合わせる
  2. 0-SETボタンを3秒以上長押し
  3. 「ピピッ」のアラーム音を確認
  4. 表示が更新されることを確認

この操作により、その時点での仕掛け位置が0mとしてリセットされ、以降の水深表示の基準となります。

糸巻学習補正の詳細手順

糸巻学習補正は、カウンター表示と実際のラインマーカーのずれを修正する高精度な補正機能です。特に10m以上の水深で有効で、より正確な棚取りを実現します。

操作方法A(メニューからの操作)

  1. MENUボタンを3秒以上長押し
  2. ▼ボタンで「糸巻補正」を選択
  3. 決定ボタンを押す
  4. 実際のラインマーカーに合わせて補正

操作方法B(ボタン同時押し)

  1. MENUボタンと▲ボタンを同時に3秒以上長押し
  2. 「ピピッ」のアラーム音を確認
  3. 実際のラインマーカーに合わせて補正

メニューボタンからの補正方法

メニュー画面からの糸巻学習補正は、より詳細な設定が可能で、釣行前の準備段階で実施することをおすすめします。

  1. メニューアクセス:水深画面でMENUボタンを3秒以上長押し
  2. 項目選択:▼ボタンで「糸巻補正」を数回押して選択
  3. 補正実行:決定ボタンを押して補正モードに入る
  4. ラインマーカー合わせ:10m単位のラインマーカーに合わせて実行

この方法では、補正完了後にメニュー画面に戻るため、続けて他の設定変更も可能です。

高切れ補正の正しいやり方

高切れが発生した場合の補正は、通常の0セットとは異なる手順が必要です。水深表示が10.1m以上の状態で0セットを行うと、自動的に高切れ補正として認識されます。

高切れ補正手順

  1. 新しい仕掛けを水面に合わせる
  2. 水深表示が10.1m以上であることを確認
  3. 0-SETボタンを3秒以上長押し
  4. 高切れ補正モードの表示を確認
  5. コンピューターによる自動プログラム変更の完了を待つ

高切れ補正後は、必ずラインマーカーとカウンター表示の一致を確認することが重要です。

船べり自動停止位置の調整

シマノ電動リールの船べり自動停止機能は、カウンター精度と密接に関連しています。停止位置がずれている場合は、以下の手順で調整できます。

自動設定の場合

  • 電動巻き上げ停止後、5秒以上その位置で停止
  • 次回以降、コンピューターが自動的に記憶
  • 1m〜6mの範囲で自動調整

任意設定の場合

  1. MENUボタンを3秒以上長押し
  2. 「船縁停止」を選択
  3. 「位置設定」を選択
  4. ▲▼ボタンで1m〜6mの範囲で10cm単位で設定

4. ダイワ電動リールのカウンター補正方法

ATD機能とカウンター学習

ダイワ電動リールのATD(Auto Tuning Drive)機能は、使用状況に応じてカウンター精度を自動的に調整する先進的なシステムです。特にシーボーグシリーズの上位機種に搭載されています。

ATD機能は、巻き上げ時のテンション変化やライン特性を学習し、継続的にカウンター精度を向上させます。ただし、大幅なずれが発生した場合は手動補正が必要です。

ラインマーカーを使った補正

ダイワ電動リールでは、PEラインの10m単位のカラーマーキングを活用した補正が効果的です。特にマルチカラーPEラインを使用している場合は、視覚的に確認しながら正確な補正が可能です。

補正手順

  1. ラインマーカーの色変わり部分(10m単位)で停止
  2. カウンター表示を確認
  3. 実際の深度とのずれを計算
  4. メニューから補正値を入力

MAGMAX MOTORでの注意点

ダイワの最新MAGMAX MOTORを搭載したシーボーグシリーズでは、高いトルクと制御精度により、従来機種より正確なカウンター表示が可能です。

しかし、高出力故に以下の点に注意が必要です:

  • 適正テンション設定:過度な巻き上げ力を避ける
  • バッテリー電圧管理:安定した電力供給の確保
  • 定期的な校正:月1回程度の補正実施
  • ライン管理:高品質PEラインの使用推奨

シーボーグシリーズの補正手順

シーボーグシリーズの補正は、機種により若干異なりますが、基本的な流れは共通しています。

シーボーグ500MJ-AT補正手順

  1. メニューボタンでカウンター設定にアクセス
  2. 「学習補正」を選択
  3. 実測値との比較を実施
  4. 補正値の入力と確定
  5. 動作確認の実施

実用巻上げ力22kgの高出力機種では、特に巻き上げテンションの管理が重要です。

レオブリッツシリーズの設定方法

エントリーモデルのレオブリッツシリーズでも、基本的なカウンター補正機能を搭載しています。操作は簡略化されており、初心者でも扱いやすい仕様です。

レオブリッツ補正手順

  1. 仕掛けを水面位置に設定
  2. カウンターリセットボタンを長押し
  3. アラーム音の確認
  4. 10m放出後の表示確認

コストパフォーマンスに優れるレオブリッツシリーズですが、上位機種と比較してカウンター精度に差があるため、より頻繁な補正が推奨されます。

5. 正確なカウンター補正のコツ

補正のベストタイミング

カウンター補正は、以下のタイミングで実施することで最大の効果を得られます:

必須実施タイミング

  • 釣行開始時(仕掛け投入前)
  • 高切れ発生後
  • 大型魚とのファイト後
  • ライン交換後

推奨実施タイミング

  • 2時間毎の定期補正
  • 潮の変わり目
  • 船の移動後
  • カウンター表示に違和感を感じた時

ラインマーカーの活用方法

高品質なマルチカラーPEラインのマーカーを最大限活用することで、補正精度が向上します。

効果的な活用法

  • 10m単位での確認:色変わり部分での停止
  • 中間確認:5m位置でのハーフマーカー確認
  • 深度別チェック:30m、50m、100mでの定期確認
  • 視認性向上:明るい色のマーカー選択

切りのいい数値での補正テクニック

カウンター補正は、可能な限り切りのいい数値(10m、20m、30m等)で実施することで、精度と作業効率の両立が図れます。

小数点以下を0にした状態での補正により、ラインマーカーとの照合が容易になり、より正確な補正が可能です。例えば、29.7m表示の場合は30.0mに合わせてから補正を実施します。

水深10m以上での補正が重要な理由

電動リールのカウンター補正機能は、一般的に水深10m以上で有効となります。これは以下の理由によるものです:

  • 誤差の蓄積:浅い水深では誤差が小さく補正効果が限定的
  • 安全性確保:船べり付近での誤作動防止
  • 精度向上:十分な糸の放出量による学習効果
  • 実用性重視:実際の釣行での有効水深範囲

100m超えの深場での補正方法

深海釣りなど100mを超える深場では、特に高精度な補正が求められます。シマノでは、表示が199mから200mに変わる瞬間での補正が推奨されています。

深場補正のポイント

  • 大きな数値変化のタイミングを狙う
  • 潮流の影響を考慮した補正
  • 複数回の確認による精度向上
  • 専用深海PEラインの使用

6. カウンター補正でよくあるトラブルと対処法

補正後もずれが直らない場合

補正を実施してもカウンターのずれが改善されない場合は、以下の原因が考えられます:

主な原因と対処法

  1. ライン劣化

    • 対処法:新しいPEラインへの交換
    • 判断基準:使用1年以上、または100回以上の使用
  2. スプール異常

    • 対処法:販売店でのメンテナンス依頼
    • 症状:巻き取り時の異音、不規則な動作
  3. 学習データ破損

    • 対処法:完全リセット後の再学習
    • 手順:メニューからのファクトリーリセット実行

Errエラーメッセージの対処法

電動リールにErrエラーが表示される場合は、セーフティ機能が作動している状態です。

主なエラー原因

  • 過負荷による保護機能作動
  • 電源電圧の異常
  • モーター過熱
  • 内部センサー異常

対処手順

  1. 電源を一度切断
  2. 5分間の冷却時間確保
  3. 接続部の点検・清掃
  4. 再起動後の動作確認
  5. 改善しない場合は専門店相談

船べり停止位置のずれ対策

船べり自動停止位置がずれる場合は、段階的な対策を実施します。

対策手順

  1. 0セットの実施:基本的な補正で改善を図る
  2. 手動調整:メニューから停止位置を任意設定
  3. 学習リセット:自動学習機能のリセット
  4. メンテナンス:専門店でのオーバーホール

大物とのファイト後は特にずれが発生しやすいため、都度確認と調整が必要です。

液晶表示が消える・映らない時の対応

液晶表示のトラブルは、釣行中に発生すると大きな問題となります。

応急処置

  1. 電源リセット:バッテリーの脱着
  2. 接続確認:コネクター部の点検
  3. 保護フィルム確認:剥がれや破損のチェック
  4. 温度管理:直射日光や高温環境の回避

予防策

  • 液晶保護フィルムの定期交換
  • 防水キャップの確実な装着
  • 釣行後の真水洗浄
  • 適切な保管環境の確保

メンテナンス時期の見極め方

定期的なメンテナンスにより、カウンター精度を長期間維持できます。

メンテナンス時期の目安

軽度メンテナンス(月1回)

  • 外装の清掃と乾燥
  • 接続部のグリスアップ
  • カウンター補正の実施

中度メンテナンス(半年に1回)

  • ケーブル点検と交換
  • ベアリング部の清掃
  • 動作チェック全般

重度メンテナンス(1年に1回)

  • 専門店でのオーバーホール
  • 内部部品の交換
  • 防水性能の確認

適切なメンテナンススケジュールにより、電動リールの性能を長期間維持し、常に正確なカウンター表示を確保できます。


まとめ

電動リールのカウンター補正は、正確な棚取りと釣果向上に直結する重要な技術です。シマノとダイワそれぞれの特徴を理解し、適切なタイミングで補正を実施することで、より精密な船釣りが可能になります。

定期的な補正実施と適切なメンテナンスにより、電動リールの性能を最大限に活用し、充実した釣行を楽しんでください。

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