メンテナンス・使い方

【2025年最新】電動リールのスプール交換を完全解説!失敗しない手順とコツ

電動リールを快適に使い続けるために欠かせないのが、適切なタイミングでのスプール交換です。しかし、「どのタイミングで交換すべきか分からない」「手順が複雑そうで不安」という方も多いのではないでしょうか。

この記事では、電動リール歴15年のベテランアングラーが、スプール交換の正しい手順から注意すべきポイントまで、初心者の方でも安心して作業できるよう詳しく解説します。

この記事を読めば、電動リールのスプール交換で失敗することはありません。

1.電動リールのスプール交換が必要になる理由

1.電動リールのスプール交換が必要になる理由

PEラインの巻き替えタイミング

PEラインは使用回数を重ねるごとに劣化が進み、強度が低下していきます。特に船釣りでは根掛かりや大型魚とのやり取りでラインにダメージが蓄積されるため、定期的な巻き替えが不可欠です。

PEライン交換の目安

  • 使用回数:10~15回程度
  • 色落ちや毛羽立ちが目立つ場合
  • 結束部分の強度が不安な場合

一般的に、PEラインは3~6ヶ月での交換が推奨されています。頻繁に釣行される方は、より短いスパンでの交換を心がけましょう。

釣種に合わせたライン交換

電動リールの大きな魅力は、一台で様々な釣種に対応できることです。しかし、釣種によって最適なPEラインの太さや長さが異なるため、スプール交換による使い分けが重要になります。

釣種別推奨ライン

  • タイラバ・イサキ釣り:PE1~2号 200~300m
  • タチウオ・アジ釣り:PE1~1.5号 200~250m
  • ヒラメ・マダイ釣り:PE2~3号 200~300m
  • 深海釣り・根魚:PE3~5号 300~500m

このように釣種ごとに最適なセッティングにするため、替えスプールを用意してライン交換を行うアングラーが増えています。

スプールの劣化・損傷時

長期間の使用により、スプール自体に傷や変形が生じることがあります。特に以下のような状況では、スプールの交換を検討する必要があります。

スプール交換が必要なケース

  • スプールエッジに深い傷がある
  • ラインローラー部分の摩耗が激しい
  • スプール全体の変形や歪み
  • 巻き心の破損

これらの問題を放置すると、PEラインの損傷や飛距離の低下につながるため、早めの対処が肝心です。

ライン容量の変更が必要な場合

釣り場の水深や釣法の変更により、巻くべきPEラインの長さを変える必要が生じることがあります。例えば、浅場メインの釣りから深場狙いに変更する場合、ライン容量の多いスプールへの交換が効果的です。

容量変更の具体例

  • 近海から遠征釣行への変更
  • ライトタックルからヘビータックルへの変更
  • 船釣りから岸釣りへの使用変更

メンテナンス時の清掃

電動リールの定期メンテナンスを行う際、スプールを外すことで普段掃除できない箇所まで丁寧に清掃できます。特に海水を使用する船釣りでは、塩分の除去が電動リールの寿命を大きく左右します。

メンテナンス時のスプール取り外しにより、以下の箇所を清掃できます。

  • スプール軸周辺の塩分除去
  • ベアリング部分の洗浄
  • 内部機構の点検

2.スプール交換前の準備と必要な道具

2.スプール交換前の準備と必要な道具

電源を必ず切る安全確認

スプール交換前の最重要事項は、電動リールの電源を完全に切ることです。 電源が入ったままの状態で作業を行うと、突然スプールが回転し始める危険性があり、怪我や機械の故障につながります。

安全確認のチェックポイント

  1. バッテリーから電源コードを完全に取り外す
  2. 電動リールの液晶画面が消灯していることを確認
  3. テクニカルレバーが完全にOFF位置にあることを確認
  4. ドラグを十分に緩める

特にシマノの電動リールでは、スーパーフリースプール機能搭載機種において、モーターON状態でのクラッチ操作は故障の原因となるため注意が必要です。

作業に必要な道具一覧

スプール交換をスムーズに行うために、以下の道具を事前に準備しておきましょう。

基本的な道具

  • 新しいPEライン(必要な太さ・長さ)
  • はさみ(PEライン専用カッター推奨)
  • マーカーペン(ライン結束部のマーキング用)
  • タオル(手拭き・機材拭き用)
  • 綿棒(細部の清掃用)

メンテナンス用品

  • コネクターグリス(ダイワSLPW、シマノ純正等)
  • 中性洗剤
  • 真水(塩分除去用)
  • 歯ブラシ(細部の清掃用)

便利な道具

  • ラインマーカー(10m間隔の目印用)
  • 下巻きライン(PE使用量を調整する場合)
  • スプールケース(交換したスプールの保管用)

作業環境の整備

スプール交換は精密な作業のため、適切な環境で行うことが成功の鍵となります。

理想的な作業環境

  • 明るく風の当たらない屋内
  • 作業台の高さが適切(腰の高さ程度)
  • 十分なスペースの確保
  • 滑り止めマット等の敷設

避けるべき環境

  • 直射日光の当たる場所
  • 風の強い屋外
  • 狭い場所での作業
  • 不安定な場所での作業

特に船上での作業は避け、帰港後に陸上で行うことを強く推奨します。

新しいPEラインの準備

スプール交換と同時にPEラインも新しくする場合は、事前に適切な製品を選定しておきましょう。

PEライン選びのポイント

  • 釣種に適した太さの選択
  • 信頼できるメーカーの製品
  • 必要な長さの確保(+予備分)
  • 4本編みまたは8本編みの選択

人気のPEラインブランド

  • よつあみ「G-soul」シリーズ
  • デュエル「ARMORED F+」シリーズ
  • サンライン「PE-EGI」シリーズ
  • ダイワ「UVF PEライン」シリーズ

スプール交換時の注意点

作業開始前に、以下の注意点を必ず確認してください。

安全面の注意

  • 電源の完全切断
  • 周囲に人がいないことの確認
  • 工具の準備と点検
  • 応急処置用品の準備

機能面の注意

  • 機種別の取扱説明書の確認
  • 交換部品の互換性確認
  • 作業手順の事前確認
  • カウンター設定のメモ

これらの準備を怠ると、作業中のトラブルや機械の故障につながる可能性があります。

3.電動リールスプール交換の手順【完全ガイド】

3.電動リールスプール交換の手順【完全ガイド】

ドラグの調整と電源の切断

スプール交換作業の第一歩は、安全確保のための基本設定です。

手順1:ドラグの調整

  1. ドラグノブを反時計回りに回し、完全に緩める
  2. 手でスプールを回して、スムーズに回転することを確認
  3. ドラグが効いていないことを必ず確認

手順2:電源の完全切断

  1. 電動リールからバッテリーコードを取り外す
  2. 液晶画面の消灯を確認
  3. テクニカルレバーがOFF位置にあることを確認
  4. 念のため10分程度放置し、内部電荷の放電を待つ

この段階で電源が完全に切れていることを確認しないと、後の作業で思わぬ事故につながる危険性があります。

古いPEラインの除去方法

既存のPEラインを安全かつ効率的に除去します。

手順1:ラインの切断準備

  1. スプールに残っているPEラインの量を確認
  2. ライン先端を見つけ、30cm程度の長さを残して切断
  3. 切断面をライターで軽く炙り、ほつれを防止

手順2:ライン除去の実行

  1. 手動でハンドルを回し、ゆっくりとラインを除去
  2. ラインが絡まないよう、一定の速度を保つ
  3. 最後の数メートルは特に慎重に作業
  4. スプールピンの結び目まで到達したら作業を一時停止

手順3:スプールピンからの結び目除去

  1. 結び目を慎重に解く(無理に引っ張らない)
  2. 解けない場合は、PEライン専用カッターで切断
  3. スプールピン周辺に残ったライン片を完全に除去

古いPEラインの除去時は、ラインの状態をよく観察し、劣化具合を把握することも重要です。

スプールの取り外し手順

電動リールからスプールを安全に取り外します。

シマノ製電動リールの場合

  1. ハンドル側からスプールを確認
  2. スプールを軽く手で押さえながら、反時計回りに回す
  3. スプールが浮き上がったら、慎重に引き抜く
  4. スプール軸やベアリング部分に異常がないか確認

ダイワ製電動リールの場合

  1. クラッチレバーをOFF位置に設定
  2. スプールを手で持ち上げるように取り外す
  3. マグシールド部分の確認
  4. 内部機構に異物がないかチェック

取り外し時の注意点

  • スプールを落とさないよう両手で確実に保持
  • 内部パーツを触らない
  • 取り外したスプールは清潔な場所に保管

新しいスプールの取り付け

新しいスプール(または清掃済みスプール)を正しく取り付けます。

取り付け前の確認事項

  1. スプール軸の清掃状態確認
  2. ベアリングの動作確認
  3. 新しいスプールの傷や変形がないかチェック
  4. 適合性の最終確認

取り付け手順

  1. スプールを電動リール本体に慎重に挿入
  2. 軸が正しく嵌合していることを確認
  3. スプールを軽く回転させ、スムーズに動くことを確認
  4. 時計回りに回してスプールを固定(シマノの場合)

取り付け完了後の確認

  • スプールのガタつきがないか
  • 回転時の異音がないか
  • レベルワインダーとの位置関係が正常か

PEラインの巻き方とコツ

新しいPEラインを正しく巻くことで、トラブルを防ぎ最大限の性能を発揮できます。

巻き始めの準備

  1. PEラインの先端処理(結び目の作成)
  2. スプールピンへの結束
  3. 結束部分の強度確認

効果的な結束方法

推奨結び:ユニノット またはパロマーノット
- 強度が高く信頼性がある
- 結び目が小さくレベルワインダーに影響しない
- 結束が比較的簡単

正しい巻き方のコツ

  1. 適度なテンションを保つ

    • 弱すぎると巻き癖がつく
    • 強すぎるとラインが傷む
    • 一定の張りを保って巻く
  2. 等間隔での巻き上げ

    • レベルワインダーの動きに合わせる
    • 偏りなく均等に巻く
    • 10m巻くごとに一度確認
  3. 下巻きの活用

    • PE使用量を調整する場合
    • ナイロンライン約50~100mを先に巻く
    • PE接続部分はFGノット等で強固に結束

巻き量の調整

  • スプール容量の80~90%程度が最適
  • 満巻きは避ける(トラブルの原因)
  • 釣種に応じた必要量を正確に計算

最終確認事項

  • カウンターの学習機能設定(対応機種)
  • ドラグ調整の復旧
  • 全体的な動作確認

4.スプール交換後の動作確認とメンテナンス

4.スプール交換後の動作確認とメンテナンス

カウンターのゼロセット方法

スプール交換後は、深度カウンターの正確性を保つために「ゼロセット」を行う必要があります。

シマノ製電動リール(フォースマスター・プレイズシリーズ)

  1. 電源を接続し、液晶画面を確認
  2. MEMOボタンとR/Sボタンを同時に3秒以上長押し
  3. 「0 SET」表示が出たら成功
  4. 仕掛けを海底まで下ろしてからゼロセット実行

ダイワ製電動リール(シーボーグ・レオブリッツシリーズ)

  1. 電源接続後、メニューボタンを長押し
  2. 設定メニューから「水深リセット」を選択
  3. 海底タッチ後にリセットボタンを押す
  4. 「000」表示になることを確認

ゼロセットの重要性

  • 正確な水深表示
  • 棚の把握精度向上
  • 船べり停止機能の正常動作
  • 安全な釣行のサポート

巻き上げテストの実施

実際の釣行前に、電動リールの巻き上げ性能を確認します。

テスト手順

  1. 無負荷テスト

    • 何も付けずに巻き上げ動作確認
    • 異音や振動がないかチェック
    • スムーズな動作を確認
  2. 軽負荷テスト

    • 500g程度のオモリを使用
    • 巻き上げ速度の確認
    • モーターの発熱状況をチェック
  3. 実用負荷テスト

    • 実際の仕掛けと同程度の重量でテスト
    • 連続使用時の安定性確認
    • バッテリー消費量の把握

確認ポイント

  • 巻き上げ力の十分性
  • カウンター表示の正確性
  • 各種機能の正常動作
  • 異常音や発熱の有無

ドラグ調整の確認

スプール交換作業で緩めたドラグを、適切な設定に戻します。

基本的なドラグ調整

  1. 初期設定

    • 使用するPEラインの約1/3程度の強度に設定
    • PE2号使用時:約6~8kg程度
  2. 微調整の実施

    • 実際の魚とのやり取りを想定
    • 竿の曲がり具合を確認
    • ラインブレイクとのバランス調整

ドラグテストの方法

  • スプリングスケール等での数値確認
  • 手で引っ張ってのフィーリング確認
  • 段階的な負荷での動作確認

コネクター部の清掃とグリス補充

スプール交換と合わせて、電動リールの生命線であるコネクター部のメンテナンスを行います。

清掃手順

  1. 分解前の確認

    • 電源が完全に切れていることを再確認
    • 必要な工具と清掃用品の準備
  2. コネクター部の清掃

    • 綿棒で端子部分の汚れを除去
    • 中性洗剤を薄めた水で清拭
    • 完全に乾燥させる
  3. グリス補充

    • 専用コネクターグリスを使用
    • 薄く均等に塗布
    • 余分なグリスは拭き取る

推奨グリス製品

  • ダイワ:SLPW コネクターグリス501
  • シマノ:純正コネクターグリス
  • 汎用品:釣り具店推奨の電動リール用グリス

グリス補充の効果

  • 電気接触の改善
  • 防錆・防食効果
  • 長期使用時の安定性向上
  • 接触不良の予防

スプール交換時のトラブル対処法

作業中に発生しがちなトラブルと、その対処方法を把握しておきましょう。

よくあるトラブル1:スプールが外れない

  • 原因:古いグリスの固着、異物の挟まり
  • 対処法:CRC等の浸透剤を使用、専門店での点検

よくあるトラブル2:カウンターが作動しない

  • 原因:センサー部の汚れ、配線の接触不良
  • 対処法:センサー清掃、メーカーサービスへの相談

よくあるトラブル3:巻き上げ時の異音

  • 原因:ベアリングの劣化、内部パーツの摩耗
  • 対処法:使用中止、専門技術者による点検

よくあるトラブル4:PEラインの巻き癖

  • 原因:保管方法の問題、巻き取り時のテンション不足
  • 対処法:ライン交換、正しい巻き方での再施工

緊急時の対応

  1. 安全確保を最優先
  2. 作業の即座中止
  3. 専門店または メーカーサービスへの相談
  4. 無理な修理は絶対に行わない

予防策

  • 定期的なメンテナンス実施
  • 使用後の清掃習慣
  • 適切な保管環境の維持
  • 早期の異常察知

まとめ

電動リールのスプール交換は、正しい知識と手順を身につけることで、誰でも安全に行うことができる作業です。最も重要なのは安全確保であり、電源の完全切断と適切な作業環境の準備が成功の鍵となります。

定期的なスプール交換により、電動リールの性能を最大限に活用し、快適な釣りを長く楽しむことができます。初回は慎重に時間をかけて行い、慣れてきたら効率化を図るのが理想的です。

重要なポイントの再確認

  • 電源の完全切断は必須
  • 適切な道具と環境の準備
  • メーカー推奨の手順遵守
  • 作業後の動作確認実施
  • 困った時は専門店に相談

この記事の内容を参考に、安全で確実なスプール交換を実践し、電動リールライフを充実させてください。

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