電動リールを使った船釣りを楽しもうと考えているとき、「モバイルバッテリーは電動リールに使えるの?」という疑問を持つ方は多いでしょう。専用バッテリーは高価なため、手持ちのモバイルバッテリーで代用できれば経済的にも助かります。
この記事では、電動リールにモバイルバッテリーが使用できるかを詳しく検証し、代用品としての可能性と注意点について、初心者の方にもわかりやすく解説します。
1.電動リールにモバイルバッテリーは使用できるのか?

電動リールの電源要件と仕様
電動リールには明確な電源仕様があり、この基準を満たさない電源を使用すると故障や性能不足の原因となります。
主要メーカーの電源仕様
- シマノ製電動リール: DC12V~14.8V(一部機種では16.8V)
- ダイワ製電動リール: DC12V~14.4V
- 必要容量: 5,000mAh以上(小型リール)、10,000mAh以上(中型・大型リール)
これらの仕様は、電動リールのモーターが安定して動作するために設計された基準です。電圧が低すぎると巻き上げ力が不足し、高すぎるとリール内部の電子部品が破損する可能性があります。
モバイルバッテリーの基本スペック
一般的なモバイルバッテリーの出力仕様を確認してみましょう。
USB出力仕様
- USB-A: 5V/2.4A(最大12W)
- USB-C PD: 5V/3A、9V/3A、12V/2.5A(最大30W)
- DC出力ポート: 9V、12V、19V(機種による)
多くのモバイルバッテリーは5V出力が基本となっており、電動リールが要求する12V以上の電圧を直接出力できません。
互換性の検証結果
結論: 標準的なモバイルバッテリーは直接使用不可
- USB出力(5V)では電圧不足で電動リールは動作しません
- 昇圧機能付きモバイルバッテリーでも安定性に課題があります
- 電流容量も電動リールの要求仕様に満たない場合が多数
電圧・電流の違いが与える影響
電圧不足による問題
- モーターの回転数低下
- 巻き上げ力の大幅な減少
- デジタルカウンターの誤動作
- 途中で動作が停止する可能性
電流不足による影響
- 負荷をかけた際の性能低下
- バッテリーの急激な消耗
- 発熱による安全性への懸念
実際の使用可能性と制限事項
現実的には、以下の条件下でのみ限定的な使用が可能です:
使用可能な条件
- DC12V出力ポート付きのポータブル電源
- 昇圧コンバーター使用時(技術的知識必要)
- 小型電動リール+軽負荷での使用
制限事項
- 巻き上げ力は大幅に制限される
- 使用時間が短くなる
- メーカー保証対象外となる
2.電動リール用バッテリーの代用品としてのモバイルバッテリー

代用可能なモバイルバッテリーの条件
電動リールの代用電源として使用するには、以下の条件を満たす必要があります。
必須条件
- DC12V出力ポート搭載
- 最低5,000mAh以上の容量
- 継続出力5A以上の能力
- 安定した電圧供給機能
推奨条件
- 10,000mAh以上の大容量
- 複数の出力ポート
- 過電流保護機能
- 防滴・防塵性能
おすすめの大容量モバイルバッテリー
1位: Anker PowerHouse 90
- 容量: 24,000mAh
- DC出力: 12V/5A
- 価格帯: 15,000円~20,000円
- 特徴: 安定した12V出力、複数ポート搭載
2位: EENOUR ポータブル電源
- 容量: 30,000mAh
- DC出力: 12V/10A
- 価格帯: 12,000円~18,000円
- 特徴: コストパフォーマンス良好、軽量設計
3位: Jackery Explorer 240
- 容量: 67,200mAh(240Wh)
- DC出力: 12V/10A
- 価格帯: 25,000円~30,000円
- 特徴: 高い信頼性、長時間使用可能
変換ケーブルと接続方法
モバイルバッテリーを電動リールに接続するには、適切な変換ケーブルが必要です。
必要な機材
- DC12Vシガーソケット変換ケーブル
- ワニ口クリップ付き電源ケーブル
- 電圧チェッカー(安全確認用)
接続手順
- モバイルバッテリーの電圧出力を12Vに設定
- 変換ケーブルを使ってワニ口クリップに変換
- 極性を確認してバッテリーに接続(赤:プラス、黒:マイナス)
- 電動リールの電源ケーブルを接続
使用時間と性能の比較
専用バッテリーとの性能比較表
| 項目 | 専用バッテリー | モバイルバッテリー |
|---|---|---|
| 使用時間 | 8-12時間 | 3-6時間 |
| 巻き上げ力 | 100% | 70-80% |
| 安定性 | 非常に高い | やや不安定 |
| 価格 | 20,000-40,000円 | 15,000-30,000円 |
コストパフォーマンスの検証
初期投資コスト
- 専用バッテリー: 約30,000円
- モバイルバッテリー+変換器具: 約20,000円
ランニングコスト
- 専用バッテリーの寿命: 3-5年
- モバイルバッテリーの寿命: 2-3年
長期的に見ると、専用バッテリーの方がコストパフォーマンスに優れる傾向があります。
3.モバイルバッテリー使用時の注意点とリスク

電圧不足による動作不良
モバイルバッテリーを使用する際の最大のリスクは電圧不足です。
症状と対策
- 症状: 巻き上げ途中での停止、カウンターの誤表示
- 原因: バッテリー残量減少時の電圧降下
- 対策: 定期的な電圧チェック、予備電源の準備
電圧降下の影響
- 11V以下: モーター停止の可能性
- 10V以下: 電動リール保護回路が作動
- 9V以下: 完全に動作停止
過放電によるバッテリー劣化
電動リールは高い電流を要求するため、モバイルバッテリーに負荷をかけます。
劣化要因
- 高負荷による内部温度上昇
- 過放電によるセル劣化
- 充放電サイクルの増加
対策方法
- 30%以上の残量で使用停止
- 使用後の早期充電
- 高温環境での使用回避
防水性能と安全性の課題
船釣りにおける防水性能は重要な要素です。
リスク要因
- 水濡れによる短絡
- 塩分による腐食
- 落下による破損
安全対策
- 防水ケースの使用
- 定期的な端子清掃
- 安全な設置場所の確保
メーカー保証対象外となるリスク
非純正バッテリーの使用は、メーカー保証を無効にする可能性があります。
保証対象外となるケース
- 指定外電源使用による故障
- 過電圧による基盤損傷
- 接続不良による接点損傷
リスク軽減策
- 使用前の十分な検討
- 自己責任での使用
- 定期的な点検・メンテナンス
船釣りでの実用性と限界
実際の船釣りシーンでの使用を考えた場合の制約について説明します。
制約要因
- 使用時間の短さ
- 重量物巻き上げ時の性能不足
- 電源容量の不安
現実的な使用場面
- 軽い仕掛けでの小物釣り
- 短時間の釣行
- 予備電源としての使用
4.電動リール用バッテリーの正しい選び方
専用バッテリーのメリットと必要性
電動リール専用バッテリーが最適な理由を詳しく解説します。
専用バッテリーの優位性
- 安定した電力供給: 電圧変動が少なく、一定した性能を発揮
- 長時間使用: 8-12時間の連続使用が可能
- 高い巻き上げ力: モーター性能を100%引き出せる
- 信頼性: 過酷な船上環境に対応した設計
- メーカーサポート: 保証とアフターサービスが充実
投資効果の高さ
初期費用は高くても、長期的な安定性と性能を考慮すると、専用バッテリーの投資効果は非常に高いといえます。
リチウムイオンバッテリーの特徴
現在主流となっているリチウムイオンバッテリーの特徴をご紹介します。
リチウムイオンの利点
- 軽量化: 鉛バッテリーの約1/3の重量
- 高容量: 同サイズで約2倍の容量
- 長寿命: 充放電サイクル500-1000回
- メモリー効果なし: 継ぎ足し充電が可能
主要メーカーの製品
- シマノ 電力丸: 10,000mAh、14.8V
- ダイワ スーパーリチウム: 14,000mAh、14.4V
マキタ互換バッテリーという選択肢
コストを抑えたい方には、マキタ互換バッテリーも選択肢の一つです。
マキタバッテリーの特徴
- コストパフォーマンス: 純正の約半額
- 汎用性: 他の電動工具にも使用可能
- 入手しやすさ: ホームセンターでも購入可能
使用時の注意点
- 電圧が18Vのため降圧回路が必要
- 自己責任での使用となる
- 防水性能は期待できない
おすすめマキタ互換製品
- BL1860B互換(6.0Ah)
- 変換アダプター付きセット
- 価格帯: 8,000円~15,000円
容量別おすすめバッテリー
使用スタイルに応じたバッテリー選びのガイドです。
小型電動リール用(~600番)
- 推奨容量: 5,000-8,000mAh
- 使用時間: 6-8時間
- おすすめ: シマノ 電力丸 10,000mAh
- 価格帯: 25,000円~30,000円
中型電動リール用(800-3000番)
- 推奨容量: 10,000-15,000mAh
- 使用時間: 8-12時間
- おすすめ: ダイワ スーパーリチウム 14,000mAh
- 価格帯: 35,000円~45,000円
大型電動リール用(4000番~)
- 推奨容量: 15,000mAh以上
- 使用時間: 10-15時間
- おすすめ: 高容量リチウムイオンバッテリー
- 価格帯: 50,000円~70,000円
長期使用を考えた最適な選択
電動リールバッテリーの選択は、長期的な視点で考えることが重要です。
選択基準のポイント
- 使用頻度: 年10回以上なら専用バッテリー
- 対象魚: 大型魚狙いなら高容量モデル
- 予算: 初期投資vs長期コスト
- 安全性: 信頼性を最優先に検討
最終的な推奨
初心者の方には、メーカー純正の専用バッテリーを強くおすすめします。安全性・性能・サポート体制を総合的に考えると、最も確実で満足度の高い選択となるでしょう。
まとめ
電動リールにモバイルバッテリーの使用は技術的には可能ですが、性能面・安全性・保証の観点から推奨できません。快適で安全な電動リール釣りを楽しむためには、専用バッテリーへの投資をご検討ください。