選び方

【2025年版】電動リール入門ガイド|初心者でも失敗しない選び方とおすすめ機種15選

船釣りを始めるなら、電動リールは必須のアイテムです。しかし「どれを選んでいいかわからない」「高そうで手が出ない」という方も多いでしょう。この記事では、釣り具店での豊富な経験を基に、電動リールの基礎知識から失敗しない選び方、初心者におすすめの機種まで詳しく解説します。

この記事を読めば:

  • 電動リールの仕組みと必要性がわかる
  • 自分に合った電動リールを選べるようになる
  • 予算に応じたおすすめ機種がわかる
  • 必要な周辺機器も一緒に揃えられる

1.電動リールとは?基礎知識と仕組み

1.電動リールとは?基礎知識と仕組み

電動リールの定義と船釣りでの役割

電動リールとは、モーターの力で巻き上げを行う船釣り専用のリールです。手巻きのリールとは異なり、電気の力で重いオモリや大型魚を楽に巻き上げることができます。

船釣りでは以下のような場面で電動リールが威力を発揮します:

  • 深場釣り:100m以上の水深からの巻き上げ
  • 重いオモリ:150g以上のオモリを使用する釣り
  • 大型魚対応:ブリやマダイなど引きの強い魚
  • 連続釣行:一日中釣りを続ける際の疲労軽減

手巻きリールとの違いとメリット

項目 電動リール 手巻きリール
巻き上げ力 モーターによる強力な巻き上げ 腕力に依存
疲労度 軽減される 疲れやすい
対応水深 深場も楽々 浅場向き
価格 高価(3万円~) 安価(数千円~)
メンテナンス 定期的な手入れが必要 比較的簡単

電動リールの主なメリット:

  • 疲労軽減により長時間の釣りが可能
  • 深場や大物釣りに対応
  • 正確な水深管理ができる
  • 巻き上げ速度の調整が可能

電動リールの構造と基本機能

電動リールは以下の主要部品で構成されています:

1. モーター部

  • リールの心臓部分
  • 巻き上げ力の源
  • 消費電力に直結

2. カウンター機能

  • 糸の出た長さを表示
  • 水深管理に必須
  • デジタル表示が主流

3. レベルワインダー

  • 糸を均等に巻き取る装置
  • 糸絡みを防止

4. ドラグ機能

  • 魚の引きに対する調整
  • 糸切れを防ぐ

5. 電源コネクター

  • バッテリーや船電源との接続部
  • 防水仕様が重要

主要メーカー(シマノ・ダイワ)の特徴

シマノの特徴:

  • フォースマスター、プレイズ、ビーストマスターが主力
  • 高い信頼性と耐久性
  • カウンター精度に定評
  • 豊富なラインナップ

ダイワの特徴:

  • シーボーグ、レオブリッツが主力
  • 革新的な技術(MAGMAXモーターなど)
  • 軽量化に注力
  • デザイン性も重視

電動リールが活躍する釣りシーン

近海釣り(~100m)

  • タチウオテンヤ
  • アジ・イサキ五目
  • タイラバ
  • ビシアジ

中深場釣り(100~300m)

  • マダイ釣り
  • 根魚五目
  • イサキ釣り
  • アマダイ釣り

深場釣り(300m~)

  • キンメダイ釣り
  • アカムツ釣り
  • 深海の高級魚狙い

大物釣り

  • ブリ・ヒラマサジギング
  • マグロキャスティング
  • GT(ジャイアントトレバリー)

2.電動リール選びの基本ポイント

2.電動リール選びの基本ポイント

番手(サイズ)の選び方と対象魚の目安

電動リールの番手は対象魚と釣り場の水深で決まります。

小型(200~600番)

  • 対象魚:アジ、イサキ、タチウオ、小型マダイ
  • 水深:~100m
  • 重量:400~500g
  • 特徴:軽量で扱いやすい

中型(800~3000番)

  • 対象魚:マダイ、ブリ、ヒラマサ、根魚
  • 水深:100~300m
  • 重量:500~700g
  • 特徴:汎用性が高い(初心者におすすめ)

大型(4000番~)

  • 対象魚:大型青物、深海魚、マグロ
  • 水深:300m~
  • 重量:700g~
  • 特徴:パワフルだが重い

巻き上げ力(パワー)の見方と必要性

実用巻き上げ力の目安:

  • 5kg以下:近海の小物釣り
  • 5~15kg:中深場の五目釣り
  • 15~25kg:大物・深場釣り
  • 25kg以上:超大物・超深場

パワーを決める要因:

  1. オモリの重さ
  2. 水深
  3. 対象魚のサイズ
  4. 潮の速さ

例:水深200mでオモリ80gの場合、実用巻き上げ力10kg程度が必要

糸巻き量とPEラインの適合性

PEライン号数と巻き量の関係:

番手 PE1号 PE2号 PE3号 PE4号
200~600 200~300m 150~200m 100~150m -
800~1000 400~500m 300~400m 200~300m 150~200m
2000~3000 600~800m 500~600m 400~500m 300~400m

選び方のポイント:

  • 水深の1.5~2倍の糸巻き量を確保
  • 号数は対象魚に応じて選択
  • 下巻きでコストを抑える

カウンター機能と精度の重要性

カウンター機能の重要性:

  • 正確な水深管理
  • 魚の居る棚の把握
  • 仕掛けの位置確認

精度向上のポイント:

  • 定期的なゼロセット
  • 適正なライン径の使用
  • メンテナンスでの精度維持

デジタルカウンター機能:

  • 水深表示
  • 巻き上げ速度表示
  • 船べり停止機能
  • 学習機能(一部機種)

価格帯別の性能差と予算の決め方

エントリーモデル(3~5万円)

  • 基本機能は十分
  • 近海釣りに最適
  • コストパフォーマンス重視

ミドルクラス(6~10万円)

  • 高性能モーター搭載
  • 多機能カウンター
  • 幅広い釣りに対応

ハイエンドモデル(10万円~)

  • 最新技術搭載
  • 軽量化実現
  • プロ仕様の性能

予算設定の考え方:

  1. 釣行頻度を考慮
  2. 主なターゲットを明確に
  3. 長期使用を見据えた投資

3.初心者におすすめの電動リール15選

3.初心者におすすめの電動リール15選

エントリーモデル(3~5万円台)の厳選機種

1. シマノ プレイズ600

  • 実売価格:約35,000円
  • 自重:470g
  • 実用巻き上げ力:5kg
  • PE糸巻き量:2号300m
  • おすすめ用途:タチウオ、アジ、イサキ

2. ダイワ レオブリッツ200J

  • 実売価格:約32,000円
  • 自重:480g
  • 実用巻き上げ力:8.5kg
  • PE糸巻き量:2号300m
  • おすすめ用途:近海五目、ライトジギング

3. シマノ フォースマスター200

  • 実売価格:約38,000円
  • 自重:395g
  • 実用巻き上げ力:5kg
  • PE糸巻き量:1号270m
  • おすすめ用途:軽量重視の近海釣り

4. ダイワ シーボーグ100J

  • 実売価格:約34,000円
  • 自重:375g
  • 実用巻き上げ力:7kg
  • PE糸巻き量:1.5号200m
  • おすすめ用途:ワカサギ、小物釣り

5. シマノ フォースマスター600

  • 実売価格:約42,000円
  • 自重:490g
  • 実用巻き上げ力:10kg
  • PE糸巻き量:2号300m
  • おすすめ用途:タイラバ、五目釣り

中級者向け(6~10万円台)のバランス型機種

6. シマノ フォースマスター800

  • 実売価格:約65,000円
  • 自重:520g
  • 実用巻き上げ力:12kg
  • PE糸巻き量:3号400m
  • おすすめ用途:マダイ、青物ジギング

7. ダイワ シーボーグ300J

  • 実売価格:約68,000円
  • 自重:495g
  • 実用巻き上げ力:15kg
  • PE糸巻き量:3号300m
  • おすすめ用途:中深場五目、根魚

8. シマノ プレイズ1000

  • 実売価格:約75,000円
  • 自重:550g
  • 実用巻き上げ力:15kg
  • PE糸巻き量:3号500m
  • おすすめ用途:汎用性重視の中型

9. ダイワ レオブリッツ300J

  • 実売価格:約58,000円
  • 自重:510g
  • 実用巻き上げ力:12kg
  • PE糸巻き量:3号350m
  • おすすめ用途:コスパ重視の中型

10. シマノ フォースマスター1000

  • 実売価格:約78,000円
  • 自重:580g
  • 実用巻き上げ力:18kg
  • PE糸巻き量:4号400m
  • おすすめ用途:大物狙い、深場釣り

小型軽量モデルの人気機種

11. ダイワ シーボーグ150J

  • 実売価格:約45,000円
  • 自重:350g
  • 実用巻き上げ力:6kg
  • PE糸巻き量:1号200m
  • 特徴:超軽量でワカサギに最適

12. シマノ プレイズ400

  • 実売価格:約48,000円
  • 自重:420g
  • 実用巻き上げ力:8kg
  • PE糸巻き量:2号250m
  • 特徴:バランスの良い小型機種

中型汎用モデルの定番機種

13. シマノ プレイズ3000

  • 実売価格:約95,000円
  • 自重:650g
  • 実用巻き上げ力:20kg
  • PE糸巻き量:4号600m
  • 特徴:一台で何でもこなせる万能機

14. ダイワ シーボーグ500J

  • 実売価格:約88,000円
  • 自重:595g
  • 実用巻き上げ力:18kg
  • PE糸巻き量:4号500m
  • 特徴:MAGMAXモーター搭載の高性能機

大型パワーモデルの最新機種

15. シマノ ビーストマスター6000

  • 実売価格:約120,000円
  • 自重:950g
  • 実用巻き上げ力:35kg
  • PE糸巻き量:6号800m
  • 特徴:大型青物・深海魚対応の最強機種

4.電動リール運用に必要な周辺機器

4.電動リール運用に必要な周辺機器

バッテリーの選び方と必要容量

電動リール用バッテリーは必須アイテムです。船の電源だけでは不安定な場合があります。

バッテリーの種類:

1. 鉛バッテリー

  • 価格:15,000~25,000円
  • 容量:12Ah~22Ah
  • 特徴:大容量で安価、重い

2. リチウムイオンバッテリー

  • 価格:30,000~60,000円
  • 容量:9Ah~15Ah
  • 特徴:軽量コンパクト、高価

3. マキタ互換バッテリー

  • 価格:10,000~20,000円
  • 容量:3Ah~6Ah
  • 特徴:汎用性が高い、軽量

容量の目安:

  • 小型リール:6~9Ah
  • 中型リール:9~15Ah
  • 大型リール:15Ah~

専用ロッドの選定ポイント

電動リール専用ロッドの特徴:

  • リールシートがバッテリーコードに対応
  • 適度な調子で魚の引きを吸収
  • 電動リールの重量に対応した設計

長さの選び方:

  • 1.6~1.8m:船上での取り回し重視
  • 1.8~2.1m:遠投性能も欲しい場合
  • 2.1m~:大型魚・長時間ファイト用

調子の選び方:

  • 7:3調子:感度重視、繊細な釣り
  • 6:4調子:バランス型、汎用性高い
  • 5:5調子:パワー重視、大物狙い

PEラインの号数と巻き方のコツ

号数選択の基準:

対象魚 PE号数 強度
アジ・イサキ 1~1.5号 4~6kg
タチウオ・小鯛 1.5~2号 6~8kg
マダイ・根魚 2~3号 8~12kg
青物・大物 3~4号 12~16kg

巻き方のコツ:

  1. 下巻きで容量調整
  2. 適度なテンションで巻く
  3. レベルワインダーを活用
  4. 定期的な巻き直し

おすすめPEライン:

  • YGK よつあみ G-soul X8
  • サンライン シグロン PE X8
  • デュエル ハードコア X8

接続コードとメンテナンス用品

必須の接続用品:

1. 電源コード

  • バッテリーとリールを接続
  • 長さ:1.5~2mが使いやすい
  • 6芯タイプが主流

2. バッテリーケース

  • 防水・防塵対策
  • 運搬時の保護
  • 船上での固定

3. コネクターグリス

  • 接点の腐食防止
  • 定期的な塗布が必要
  • シマノ・ダイワ純正品推奨

メンテナンス用品:

  • 真水での洗浄用ホース
  • ドライヤー(乾燥用)
  • オイル・グリス
  • 清掃用ブラシ

初心者が最初に揃えるべきアイテム一式

基本セット(予算10~15万円)

  1. 電動リール:シマノ プレイズ600(35,000円)
  2. 専用ロッド:汎用電動ロッド 1.8m(15,000円)
  3. PEライン:2号300m(3,000円)
  4. バッテリー:リチウムイオン12Ah(40,000円)
  5. 電源コード:2m 6芯(8,000円)
  6. バッテリーケース:防水ケース(5,000円)
  7. リーダー・仕掛け:各種(5,000円)

推奨セット(予算15~20万円)

  1. 電動リール:シマノ フォースマスター800(65,000円)
  2. 専用ロッド:高性能電動ロッド 1.8m(25,000円)
  3. PEライン:3号400m(4,000円)
  4. バッテリー:リチウムイオン15Ah(50,000円)
  5. 電源コード:高品質2m 6芯(12,000円)
  6. バッテリーケース:高級防水ケース(8,000円)
  7. リーダー・仕掛け・小物:各種(10,000円)

購入時のアドバイス:

  • 釣具店での実機確認を推奨
  • セット購入での割引交渉
  • アフターサービスの確認
  • 保証期間の把握

まとめ

電動リールは船釣りの可能性を大きく広げてくれる素晴らしい道具です。初心者の方は以下のポイントを押さえて選択しましょう:

選び方の要点:

  • 主な釣り物を明確にする
  • 予算に応じたクラスを選ぶ
  • 信頼できるメーカー品を選ぶ
  • 必要な周辺機器も一緒に揃える

初心者におすすめの組み合わせ:

  • リール:シマノ プレイズ600またはフォースマスター800
  • バッテリー:リチウムイオン12~15Ah
  • ロッド:1.8m前後の専用ロッド
  • ライン:PE2~3号

適切な電動リールを選んで、快適で充実した船釣りライフを楽しんでください。わからないことがあれば、釣具店のスタッフに相談することをおすすめします。

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